この度、JCBA(日本建築行政会議)ホームページで平成20年度の活動報告書”天空率運用の検討について2009.5.18更新”が閲覧可能となりました。
これまでは、市街地部会天空率分科会にて検討され、専用ページ(JCBA会員のみ)のみに公開されていましたが、今回は一般設計者も閲覧できるようになりました。
平成20年度は天空率分科会の中に、初めて我々ベンダーで構成される”天空率検討会”を設けていただき、天空率分科会にて検討された案件に対する天空率検討会としての調査・検討及び両部会の代表による意見交換等をさせていただくことができました。(弊社も天空率検討会代表として参画)
今回、閲覧できる内容は平成20年度の活動報告書となっており、積み残した問題点等も含めたものとなっています。
一部の内容は、現在殆どのシステムで対応が取れている部分でも法文には明記されていないものを正式にまとめたものとなっていますが、適合建築物や算定(測定)ポイントの取扱いについて等は、審査側に確認した上で検討してください。
尚、弊社システムのADS8では、現在の最新版の機能を利用することで全て対応が可能です。
今回公開された報告書の内容は多岐にわたりますが、今年度の運用指針集に掲載される内容は、以下の3項目となります。(ページ左上に、白抜きで“集団規定”と表記されている項目です)
■安全率(P18)
[概略]
○システム計算値に対して求積計算された結果が
適合建築物 システム計算値 < 求積計算値
計画建築物 システム計算値 > 求積計算値
で処理されているのであれば、この時点で一定の安全率が含まれていると判断することができるので、数値による安全率(0.02%等)の適用については、算定方法に一定の安全率が含まれていることを設計側・審査側双方が理解した上で、適宜判断するものとする。
○求積計算を行う場合は、概ねの目安として10度を基準とする
○天空率の表記は、小数点以下3桁とする
○丸め方法は、適合建築物は切り上げ、計画建築物は切り捨てとする
★ADS→従来の計算方法で問題ありません。
■算定位置2(P43)
[概略]
○従来運用されていた、算定位置の“回り込み(円弧)処理”による配置を行わない。
★ADSでは→測定ラインの“円弧”に関する部分を無しにします。
■高低差がある場合(P49)
[概略]
○道路斜線において天空率を利用する際に、地盤の高低差がある場合、区域区分をせずに適合建築物を設定する。(道路斜線勾配が異なる場合は除く)
○高低差が3m以上ある場合でも区域区分せずに一体として適合建築物を扱う。但し、算定位置はそれぞれの地盤に対する算定線上で算定する
★ADSでは→各区域をグループ化し、測定ラインを追加します。
以上の項目が、今年の運用指針集に掲載されることになりますが、その他の検討事項も含め、審査側が採用するかどうかは、直接お問合せください。(現時点でも、従来型の算定を要求する行政もあります)
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